山と映画

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ネタバレ映画感想、登山ネタ中心のお気楽雑記ブログ

秋の夜長におすすめの本当に面白い小説30選

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秋ですね~

秋といえば読書の秋。ということで定番中の定番ネタ! タイトル通り秋の夜長におすすめしたい文庫本をまとめてみました。

僕が今まで読んだ作品で面白い! と思ったものばかりです。

 

本の選び方は人それぞれですが僕の場合はとにかく”外したくない!”というのが第一です。故に必然的に定番へ走る傾向が。

もちろんある程度好きなジャンルの作品は選びます。

ネイバーで”おもしろい 小説”や読まれている順で検索→アマゾンでレビュー数をチェック(100以上だとテンション上がる 笑)

 

まあ前置きが長くなりましたが、どれも面白い作品かと思いますので参考にしてくださいね。

 

 

悪の教典

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

悪の教典〈上〉 (文春文庫)

 

不良生徒、モンスターペアレント、学校裏サイト、集団カンニング、淫行教師など数々の問題を抱える東京都町田市の私立晨光学院町田高校(実写版では晨光学院高校)に勤める蓮実聖司は、有能で人気者だが、裏では自分に都合の悪い人間を次々と殺害していくサイコキラーであり、一部の生徒や教師から疑われ始めていた。また、蓮実は自分を疑った者や邪魔に思った者を秘密裏に抹殺していた。 

修学旅行が終わり、それぞれの生徒が文化祭の準備に勤しんでいた頃、蓮実は邪魔になった女子生徒を自殺にみせかけて始末しようとするが、手順が狂い殺人の嫌疑が掛かりそうになる。蓮実はそれを隠蔽するため、出し物の準備のため校舎に泊り込んでいた担任クラスの生徒全員を、同僚教師の仕業に見せかけて散弾銃で皆殺しにする決意をする。こうして一夜の血塗れの大惨劇が始まった。

悪の教典 - Wikipedia

 

貴志祐介作品を大好きになったきっかけの作品です。

上下巻とありますが一気に読めます。ジャンルはサイコホラーとなっていますが、グロ耐性のない方でも読めると思います。とにかく主人公の”ハスミン”こと蓮実聖司先生が賢いのなんの。ハスミンのような主人公であれば、例え悪人だとしても続編を期待してしまいます。

 

黒い家

黒い家 (角川ホラー文庫)

黒い家 (角川ホラー文庫)

 

 大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問するが、そこで菰田家の子供(妻の連れ子)が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。 事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、昭和生命は保険金の支払いを保留していたが、重徳は執拗に支払いを求める。疑念を抱いた若槻は、一連の事件の首謀者を重徳と推測し、妻の幸子宛に注意を促す匿名の手紙を送ってしまう。 そこから、若槻自身とその周囲の生命が脅かされる、恐怖の日々が始まった。まず、若槻の恋人である恵が勤務する大学の研究室の心理学助教授、金石がプロファイリングによって菰田夫妻はサイコパスだと判断を下した矢先に、金石が惨殺された。

黒い家 - Wikipedia

 

 同じく貴志作品。貴志祐介氏は同作で第4回日本ホラー小説大賞を受賞しています。

「悪の教典」の次に読んだこちらの作品。本作を読んで貴志祐介氏のファンから大ファンになりました。

もうね、怖いのベクトルをリアルな日常に寄せているから本当に怖い。どこの街にも一人はいそうなばば、いや基地外おばさんの怖さを存分に味わうことが出来ますよ。

ちなみにこちらはグロ要素もふんだんにありますので、苦手な方はスルーの方向で。

 

青の炎

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)

 

 湘南に住む櫛森秀一は名門高校に通う優等生。ある日、10年前に母と離婚した養父、曾根が現れた。横暴な曾根から家族を守るため、秀一は法的手段に訴えたが、大人の社会の仕組みは、秀一のささやかな幸せを返してはくれなかった。母親の体のみならず妹にまで手を出そうとする曾根に、ついに秀一の怒りは臨界点に達する。

激しい怒りは、静かな激怒へ変わり青い炎が、秀一の心に燈った。自らの手で曽根を殺害することを決心した秀一は、完全犯罪を計画する。

青の炎 - Wikipedia

 

こちらも貴志作品。何が良いってまず舞台が”夏の鎌倉”ってのがいいですね! そして貴志作品なのにホラーじゃない 笑

ホラーが苦手な人でも存分に楽しめる作品です。この作品を読んで貴志先生のミステリーも好きになりました。主人公が男子高校生というのも、夏の鎌倉と相まってノスタルジックな部分を引き立てています。本筋以外の夏という季節感や鎌倉という舞台も同時に楽しめるんじゃないかと思います。

 

新世界より

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

 

1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。  注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。  禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。

新世界より (小説) - Wikipedia

 

ここまできたらこの作品を紹介しないわけにはいきません。

上中下巻のファンタジー大作ですが、次が気になってしまいあっという間に読めること間違いなし。アニメ化もされたので観られた方も多いのではないかと思いますが、原作未読の方は是非。アニメ版と多少異なる部分もありますので、再度楽しめるかと。

この手のジャンルは駄作、良作の良し悪しがはっきりしていますが本作は間違いなく良作です。

 

ジェノサイド

ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

 

 元グリーンベレーのジョナサン・“ホーク”・イエーガーは現在はイラクで民間軍事会社に勤める傭兵。難病を抱える息子の命を救うため、その身を危険に晒して大金を稼ぐ必要があった。リスボンで専門医の治療を受けている息子の元に赴くため休暇をとる予定だったイエーガーの許に奇妙な任務が舞い込む。提示される破格の報酬、最高ランクの機密、準備を含めて1ヶ月を要する作戦。イエーガーはいわゆる『汚い仕事』(暗殺任務)であろうと推察する。だが、容体が悪化し、余命1ヶ月となった息子のため背に腹はかえられず、イエーガーは危険な任務を承諾する。南アフリカ共和国に向かったイエーガーはそこで選りすぐりの精鋭である3人の仲間と対面し、彼らと共に訓練を受ける。イエーガーたちに与えられた任務は第一次アフリカ大戦が現在も行われているコンゴ民主共和国に密かに潜入し、危険な病に取り憑かれたピグミー族の住人たちを『駆除』し、『これまで見たこともない生物』に遭遇した場合はそれを排除することだった。その任務がアメリカ合衆国大統領・バーンズの命令で『人類絶滅の危機』を防ぐため発動された『ネメシス作戦』とはイエーガーが知るよしもなかった…

ジェノサイド (小説) - Wikipedia

 

アフリカと日本、二人の主人公、二つのストーリーが同時進行していきます。

こちらも一度読んだら止まらない系の作品ですね。サスペンス小説かと思いきやSF要素もありまして、新しいジャンルの小説を読んだ気分になります。アフリカ篇、日本編と多数の様々なキャラクターが出てきますが、スッと頭に入ってくるのは作者の高野和明氏の文章が上手なんでしょうね~

 

下妻物語

下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件 (小学館文庫)

下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件 (小学館文庫)

 

 茨城県の下妻市に住む竜ヶ崎桃子は、ロリータ・ファッションをこよなく愛する孤高の高校生である。もう一人の主人公・白百合イチゴは、レディース(暴走族)の一員であり、桃子の父親の作ったベルサーチの偽物を買いに来たことをきっかけに、桃子の家に出入りするようになる。イチゴは、自分が所属する暴走族の総長が引退する時、代官山にいるらしい有名な伝説の刺繍家に「ありがとう」と入れてもらった特攻服を着たいと願い、資金を稼ぐために桃子を引き連れパチンコ屋に繰り出す。桃子は初めてのパチンコであったが、偶然連チャンし、易々と自分の服代とイチゴの刺繍のための資金を稼ぎ出す。イチゴは代官山に詳しい桃子を伴い伝説の刺繍家を探しに行くが、その刺繍家を見つけることはできず、イチゴは深く落ち込む。見かねた桃子は自分が刺繍を請け負う。不眠不休で刺繍をし、見事な刺繍入りの特攻服が仕上がった。その素晴らしさを見て、イチゴは感動を覚え、素直に感謝をする。その言葉を聞いて桃子は今までに感じたことのない不思議な感覚を覚え、これをきっかけに、二人の間に友情が芽生え始める。

下妻物語 - Wikipedia

 

映画は観ました? こちらは映画を観てから読んだ方が楽しいかもしれません。土屋アンナと深田恭子のハマり役は素晴らしかったですね。映画の方も大好きです。

本作は読んでいると下妻の情景やシーン、イチゴと桃子の会話が嚙み合っているのかいないのか分からないけれど、とにかく楽しそうな雰囲気がビシビシ伝わってきます。

とにかく楽しい気持ちになりたいときにおすすめです! 続編にして完結編の「ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件」も併せてどうぞ。

 

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

 

学校帰りの卓巳は、いつものように人妻の里美が暮らすマンションで密会する。二人はコスプレをして、お互い『むらまさ』と『あんず』というアニメキャラになりきって愛しあう。きっかけは初めて卓巳が同人誌即売会に行った時に里美から声をかけられて親しくなり、ほどなくして不倫関係となる。里美の「計算してるから避妊しなくていいよ」との言葉に甘えて、快楽の日々を送る卓巳。だがしばらくして卓巳は、同級生から告白されたのを機に里美に別れを告げる。しかし後日、店でベビー用品を見て回る里美を偶然見つけた卓巳は、自分の子供ができたのかと動揺する。

ふがいない僕は空を見た - Wikipedia

 

本作はネイバーの・・・

matome.naver.jp

 こちらを見て気になって読んだ作品。窪美澄さんの作品は初めて読みましたが、結論から言うともの凄い”しっとり楽しい”作品でした。女性ならではの目線っていうんですか? でも女性に寄り過ぎず男心も分かっているんだなあと、思わず関心しちゃいました。男子高生のもやもやした気持ちやら、少し背伸びしたい描写なんかがもの凄く共感できました。

女心を勉強したい男性には特におすすめです。

 

阪急電車

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

 

 阪急今津線は、兵庫県宝塚市の阪急宝塚駅から兵庫県西宮市の西宮北口駅を経て阪急今津駅までを結ぶ。阪急神戸本線との接続駅であり運転系統が分割される西宮北口駅から宝塚駅までは、所要わずか14分のミニ路線である。この作品は、その宝塚 - 西宮北口間の8つの駅を舞台とし、その乗客が織り成す様々なエピソードを、1往復に当たる全16話で描写する。

阪急電車 (小説) - Wikipedia

 

こちらも上記と同様にネイバーから。有川浩作品は他にも”塩の街”シリーズや”レインツリーの国”、”図書館戦争”等読んでいますが、有川作品の中で一番好きなのがこちらの”阪急電車”です。なんせ読んでる最中から気持ちが暖かくなってくるんですもの。

読み終わった後は多幸感に包まれること請け合いです。オムニバス形式というのがまた読みやすくて良いんですよねぇ。

 

告白

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

 

 

市立S中学校、1年B組。3学期の終業式の日、担任・森口悠子は生徒たちに、間もなく自分が教師を辞めることを告げる。原因は“あのこと”かと生徒から質問が飛ぶ。数カ月前、学校のプールで彼女の一人娘が死んだのだ。森口は、娘は事故死と判断されたが本当はこのクラスの生徒2人に殺されたのだと、犯人である少年「A」と「B」を(匿名ではあるがクラスメイトには分かるように)告発し、警察に言うつもりはないが、彼らには既に恐ろしい復讐を仕掛けたと宣告して去っていく。

告白 (湊かなえ) - Wikipedia

 

"愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。"というもの凄いインパクトのある先生の言葉で物語は進行していきます。こちらも映画化され沢山の人に称賛を浴びましたね。中島哲也監督って素晴らしい・・・というのは別のお話ですが、読み進めているうちに何とも言えない気持ちになりますね本作は。

独身、既婚者や学生と、読む人の立場で感想にも偏りがあるかもしれませんね。一つ言えるのは、面白くて止まらないってことです。

 

神去なあなあ日常

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

 

 高校卒業後の進路を決めていなかった平野勇気は、卒業式終了後に担任から就職先を決めておいたと言われ、母親からは恥ずかしいポエムを暴露すると半ば脅される形で家を追い出され、どんな仕事をさせられるのかも分からないまま、三重県の神去村へとやってくる。 

列車を乗り継いで着いた先は、見渡す限り山が続く、ケータイの電波も届かない田舎。勇気が就職することになったのは、中村林業株式会社。山仕事に関しては天才的な才能を持つ飯田ヨキの家に居候しながら、ベテラン社員に付いて現場に出た勇気を待っていたのは、広大な山の手入れ。過酷な山仕事に何度も逃げ出そうと試みるもあえなく失敗、ヒルやダニとの戦い、花粉症発症など、辛いことはたくさんあれど、それらを凌駕する雄大な自然に勇気は次第に魅了されていく。さらに勇気は、神去小学校の美人教師・直紀に高望みの恋心を抱き、玉砕しても諦めずに想い続ける。そして、神去村で48年に一度行われる神事オオヤマヅミに、勇気も参加することになる。

神去なあなあ日常 - Wikipedia

 

こういうの大好物。というか三浦しをん作品全般好き。

田舎が舞台名なだけあって、なんというか大自然に放り込まれたような気持ちになれますよ。しかも林業にスポットが当たっているので自然や森との付き合い方、仕事に対しての考え方など学べる点が多いのも特徴ではないかと思います。

”舟を編む””まほろ駅前多田便利軒”など、三浦作品の”お仕事作品”は面白いものばかりですね。

 

 西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

 まいの元におばあちゃんが危篤だと連絡が来る。おばあちゃんの家に向かう車の中でまいは、おばあちゃんと過ごした2年前のことを思い出す。

まいは中学校に入学したばかりの頃、不登校になってしまい、しばらくの間、おばあちゃんの元で2人で暮らしていた。そこで、まいは「魔女」になるための修行をすることになる。その修行は、「なんでも自分で決めること」だった。

魔女になるための修業として、規則正しい生活・ジャムを作る・自然と触れ合い、お気に入りの場所を作るなど、概ねは順調だった。しかし、おばあちゃんの知り合いのゲンジさんに、まいは嫌悪感を覚える。 魔女修行から3週間ほどたった朝、おばあちゃんの家の鶏小屋が荒らされていた。その日の夜、鶏の死に関連して人が死んだらどうなるか、という話題になる。おばあちゃんは魂が身体から離れて自由になることとまいに言い、おばあちゃんが死んだときまいに教えるという約束をする。

西の魔女が死んだ - Wikipedia

 

これは知っている方もかなり多いのではないでしょうか。魔女、というよりあんな素敵なおばあちゃんと一緒に暮らしていたら毎日が幸せだろうなあ。

おばあちゃんとはいつまでも一緒に居れるわけじゃないんですもんね。なんて、つい田舎のおばあちゃんを思い出してしまいます。ファンタジーな内容ではなく地に足の着いた内容です。226Pとサクッと読めるのにとても心に響く作品でした。

 

キッチン

キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

 

 両親と祖父を早くに亡くし、祖母と暮らしてきた大学生・桜井みかげだが、その祖母さえも亡くしてしまい、天涯孤独の身となる。ある時、同じ大学の学生で、祖母の行きつけの花屋でアルバイトしている田辺雄一に声をかけられ、雄一宅に居候することとなる。雄一はオカマバーを経営する母・えり子(実は父・雄司)と2人暮らしである。みかげは田辺家のキッチンで眠るようになり、風変わりなえり子・雄一親子とも少しずつ打ち解けていく。かつてのボーイフレンドとの再会などを経て、日を追うごとに祖母の死を受け入れ、みかげの心は再生していく。

キッチン (小説) - Wikipedia

 

こちらも200Pと短めなのにドシッと読み応えがあります。話自体は割とシリアスで重い内容ではありますが、それ以上に人の温かみや温もりというものを感じることのできる作品ですよね。吉本ばななさんの作品はこれしか読んだことがないんですが、とても読みやすい文体の方で小説初心者にも入りやすい気がします。

 

旅のラゴス

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

 北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

序盤は正直、世界観がつかめませんでした 笑

読み進めていくうちにふわっとしたイメージがどんどん固まっていく感じ。表紙の絵から勝手に自分の中で世界を広げて、ラゴスと共に冒険しているような読み方をすればいいんじゃないかと。SFともファンタジーとも取れるのに遥か大昔のような不思議な世界を覗いてみたい方には是非。

 

永遠の0

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

 

 大学生の佐伯健太郎と、出版社に勤める姉の慶子は、亡くなった祖母・松乃の四十九日から暫くした頃、祖父・賢一郎から彼が自分達の実の祖父ではないことを知らされる。第二次世界大戦後、松乃は二人の母・清子を連れて賢一郎と再婚しており、実の祖父は終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だと判明する。

それから6年後、司法浪人が長く続き人生の目標を見失っていた健太郎は、フリーライターとなった慶子から、新聞社主宰の終戦60周年記念プロジェクトのアシスタントを頼まれる。プロジェクトを進める高山は神風特攻隊のことをテロリストだと語るが、祖父の話もありその考えに釈然としない慶子は、このプロジェクトに際して特攻隊員だった実の祖父について調べようと決めた。姉弟はわずかな情報を元にその足取りを追い始める。

永遠の0 - Wikipedia

 

映画も良かったですが、僕は圧倒的にこちらの原作の方が好きです。なんでしょう、本筋は主人公である健太郎の実の祖父、宮部久蔵の真実を追うことなんですが、そんなことを忘れてしまうほど久蔵氏に感情移入してしまいました。

とにかく序盤から中盤、終盤まで一切だれてしまうことなく最後まで完璧。読み終わった後は何故か士気が上がります 笑

 

スウィングガールズ

スウィングガールズ【新装版】 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

スウィングガールズ【新装版】 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 

 東北地方の山河高校の、落ちこぼれ学生だった友子ら13人の女子生徒は、夏休みの補習授業をサボるために、食中毒で入院した吹奏楽部のピンチヒッターに応募する。

唯一、食中毒を免れた気の弱い吹奏楽部員・拓雄の指導で、ビッグバンドジャズをはじめた友子らは、次第に演奏の楽しさに目覚め、ジャズにのめりこんでいく。しかし、吹奏楽部員が退院して復帰したため、あえなくお払い箱になってしまう。

2学期になった友子らは、演奏の楽しさが忘れられず、バンドを結成し、楽器を買うためにアルバイトで費用を稼ぎ、失敗と成功を繰り返しながら、ビッグバンドジャズにのめりこんでいく。

スウィングガールズ - Wikipedia

 

こちらも映画から観られた方が多いんじゃないでしょうか? ウォーターボーイズ、ハッピーフライトと同じく矢口史靖さん監督作品です。矢口さんの作品どれもこれも楽しいなあ。

「ジャズやるべ!」のキャッチフレーズも素敵ですよね。ジャズが題材なので耳でも楽しめる分映像(映画)の方にどうしても分がありますが、小説でも友子たちのスウィングが聞こえてきますよ♪

 

ワイルド・ソウル

ワイルド・ソウル(上)(新潮文庫)

ワイルド・ソウル(上)(新潮文庫)

 

 その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す!歴史の闇を暴く傑作小説。

 

こちらも一気読み必至。上下巻とあっという間に読めちゃいます。そして読み終わったころにはブラジル料理が食べたくなっているかもしれませんね。”政府への復讐計画”と聞くと何やら犯罪の香りがしますが・・・ご明察。でもそこにはしっかり正義があるんですよね。主人公の一人であるケイがとにかく良い男で。

面白い本ある?と聞かれたら最初にこの本をおすすめしてます。

 

神々の山嶺

神々の山嶺(上) (集英社文庫)

神々の山嶺(上) (集英社文庫)

 

 メンバー全員が45歳以上で構成される中年のエベレスト登山隊は二人の滑落死者を出し失敗に終わる。遠征に参加したカメラマンの深町は帰国する隊員と別れ、あてどなくカトマンズの街を彷徨う中、ふと立ち寄った古道具屋の店先で年代物のカメラを目にする。エベレスト登山史上最大の謎とされているジョージ・マロリーの遺品と見た深町は即座に購入するが、カメラは宿泊先のホテルから盗まれてしまう。カメラの行方を追ううちに、ビカール・サン(毒蛇)と呼ばれる日本人から盗まれた故売品であることが判明するが、故買商からカメラを取り戻すために深町の前に姿を現したビカール・サンはかつて日本国内で数々の登攀記録を打ち立てながら、ヒマラヤ遠征で事件を起こし姿を消した羽生丈二その人であった。

神々の山嶺 - Wikipedia

 

やっと出せた山岳小説 笑

言わずと知れた名作です。上下巻と二部構成ですがぶっちゃけ下巻は・・・と思ってしまうのは僕だけでしょうか? でも裏を返せばそれだけ上巻が面白すぎるといいうことでもあります。漫画版もおすすめですが、何はともあれまずはこちらの原作からお読みください! 映画?あれは無かったことに 苦笑

登山する方にはもちろんですが、山には一切興味ないという方でも十二分に楽しんでいただける作品です。

 

 ダイナー

ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

 

 ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

そこを訪れる客は、みな心に深いトラウマを抱えていた。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、カナコは生き延びることができるのか? 次々と現れる奇妙な殺し屋たち、命がけの恋──。

 

はい、殺し屋モノです。好き嫌い分かれるんでしょうね、こういう作品は。でもテンポの良いストーリーもそれぞれが主役級のキャラもさることながら、一番楽しめるのは料理描写ですからねこの作品は。ほんと湯気が見えてきますよ! それ位お腹に刺激を与えてくれる作品です。きっと読んでる最中に何か食べたくなるんじゃないでしょうか。

とてもスパイシーな物語ですよ!

 

真夜中のパン屋さん

([お]7-1)真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ (ポプラ文庫)

([お]7-1)真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ (ポプラ文庫)

 

 首都高と国道246号が交わる界隈にあるパン屋「ブランジェリークレバヤシ」は、午後23時から午前29時(明け方5時)までの真夜中の6時間だけ開店している。店をオープンして半月ほど経ったある夜、オーナーの暮林陽介の妻・美和子の腹違いの妹を名乗る篠崎希実という女子高生が突然押しかけ、しばらく店に置いて欲しいと言ってきた。

真夜中のパン屋さん - Wikipedia

 

こちらも飯テロ作品! この作品のせいで何キロ太ったことか。きっと僕だけではないですよね? ね? 実際に三軒茶屋にありそうな感じゃないですか!? 知っている方がいたら教えてください。この作品はシリーズもので現在5作品まで出ております。とにかくどのキャラクターも魅力たっぷりで、もはやキャラを見ているだけでも楽しめると思います。ダイナー同様ストーリーも毎回楽しめますが、魅力的なのはやはり美味しそうなパンの描写ではないでしょうか。ご飯を美味しそうに描写できる人に外れなし!

 

プリズンホテル

プリズンホテル〈全4巻セット〉 (集英社文庫)

プリズンホテル〈全4巻セット〉 (集英社文庫)

 

 極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家...不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。

 

無教養な自分は浅田次郎と聞くと鉄道員(ぽっぽや)、椿山課長の七日間、あとは時代小説書いてる人ってイメージしかなくてなんだか難しそうだな、読みずらいんだろうな・・・なんて思っていたのですが、この作品を見てイメージが変わりました。

面白い。しかも面白いだけじゃなくてしっかり感動できる。

そして、「プリズンホテル」へ一度でいいから行ってみたいと強く思います。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

 椎名という大学生の現在の物語と琴美という女性の2年前の物語が同時に描かれる、カットバック形式の小説。

椎名は引っ越し先のアパートの隣人・河崎に「本屋で広辞苑を盗まないか」と誘われる。断りきれなかった椎名は本屋から広辞苑を奪う手伝いをさせられてしまう。その計画の後、河崎やペットショップの店長をしている麗子から2年前の話を聞かされることになる。

2年前の物語は琴美、その恋人であるキンレィ・ドルジ(ブータン人)、河崎、麗子を中心に展開する。世間で多発しているペット惨殺事件の犯人たちに出会ったことにより、琴美が目を付けられてしまう。琴美は何度も襲われるが、ドルジや河崎に助けられ、逆に犯人たちを捕まえようとする。

2年前の事件と現在の本屋襲撃が次第につながっていく。

アヒルと鴨のコインロッカー - Wikipedia

 

伊坂幸太郎作品の中で一番最初に読んだのがこちらなんですが、今でもたまに見返します。伊坂作品て終盤での伏線回収や追い込み方がもの凄いですよね! 読後感をすごく気持ち良いものにしてくれるのが、伊坂幸太郎さんの特徴の一つでもあると思います。

話がそれますが僕、本作は夏に読んだんですよね~

映画も確か夏に観ました。だからこの作品を読むと強制的に夏を鮮やかに思い出させてくれるんです。

 

マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)

マリアビートル (角川文庫)

 

 酒浸りの元殺し屋「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた悪魔のような中学生「王子」に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線〈はやて〉に乗り込む。
取り返した人質と身代金を盛岡まで護送する二人組の殺し屋「蜜柑」と「檸檬」は、車中で人質を何者かに殺され、また身代金の入ったトランクも紛失してしまう。
そして、その身代金強奪を指示された、ことごとくツキのない殺し屋「七尾」は、奪った身代金を手に上野駅で新幹線を降りるはずだったのだが……。

『マリアビートル』伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)|角川書店|KADOKAWA

 

伊坂作品からもう一つ。この小説を一番好きな作品に上げる方も結構いるみたいですね。群像劇って面白いですよね。一人称や三人称視点の作品ももちろん面白いですが、群像劇って各キャラが魅力的であればあるほど輝きますよね。

伊坂幸太郎氏の群像劇は、アヒ鴨でも前述した終盤の魅力同様とんでもなく面白い。そして伊坂作品のモブ、というかサブキャラたちが主人公より魅力的な気がする! とにかく本作を読んでいただければ僕の言っている意味も少しはお分かりいただけるのではないかと。

大丈夫です。一気に最後まで読めますから!

 

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

 

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

 

はい、ついに出ました奥田英朗作品。数ある同氏の作品の中でも一二を争う作品がこちらでございます。もうね、映画もそうでしたけどシュールな点も含めて面白すぎるんですよ。映画だと松尾スズキさんが伊良部一郎(主役)役を演じるんですが、イメージぴったり。ハマりすぎて引くレベル。

電車の中では読まない方が賢明なのかもしれません。シリーズ三作品全てハズレなし、奥田ファンになること間違いなしの良作ですね。

 

最悪

最悪 (講談社文庫)

最悪 (講談社文庫)

 

 小さな町工場を営む真面目な中年男、気が弱く自分の意思を主張するのが苦手な銀行員の女、親と絶縁しパチンコとカツアゲでその日暮らしをする若い男。3人は現状に物足りなさは感じているものの、なんとかなっている毎日を過ごしていた。しかしそんな3人にそれぞれ小さな問題が発生する。町工場の男は地域住民から「工場の騒音がうるさい」と訴えられ、銀行員の女は上司からセクハラを受け、その日暮らしの男は軽い気持ちからやった窃盗がきっかけでヤクザに弱みを握られる。そして無縁だった3人の人生が交差する時、最初は小さかった問題は加速度的に転がり始める。

最悪 - Wikipedia

 

なんだよそのふり幅は! とつい叫びたくなる、そしてとっても灰色な気持ちになるんだけど読む手が止まらなくなっちゃう作品です。イン・ザ・プールとは打って変わって日常のとてもブラック寄りのグレーな部分(てか黒か 笑)を切り取った社会派犯罪作品。

絶対巻き込まれたくないわこんなん! と心の中で叫びながら読み進むことになるんじゃないでしょうか。日常で巻き込まれる可能性がゼロではない分、妙に生々しい描写に震えます。

本当に同じ作者が書いたのか? と疑いたくもなる魅惑の作品です。

 

 下町ロケット

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

 

 

精密機械製造業の中小企業・佃製作所の社長・佃航平は、主要取引先の京浜マシナリーから、突然、取引終了の通知を受ける。資金繰りに困りメインバンクの白水銀行に3億円の融資を申し込むが渋られる。追い打ちをかけるように、今度はライバル会社のナカシマ工業から特許侵害で訴えられて、白水銀行からは融資を断わられてしまう。法廷戦略の得意なナカシマ工業が相手では、たとえ勝訴は濃厚でも裁判の長期化だけで資金不足による倒産は避けられそうもない。

そんな時、大企業の帝国重工の宇宙航空部長・財前の訪問を受け、佃製作所が持っている特許を20億円で譲ってくれと持ちかけられる。帝国重工は巨額の資金を投じて新型水素エンジンを開発したが、特許は佃製作所に先を越されていたのだ。航平は元妻・沙耶との会話で、特許譲渡や使用許可ではなく、帝国重工が飛ばすロケットに佃製作所で作った部品を搭載する道もあると思い当たる。しかし、それでは特許使用料が入らないどころか、リスクが高過ぎると、特に若手社員の反応は最悪で、特許使用許可か部品搭載の夢か、航平は思い悩む。

下町ロケット - Wikipedia

 

随分話題になってましたので、もはや説明不要かもしれませんね。僕も面白いと評判だったので読んでみたクチです。池井戸潤氏のお仕事小説はどれも面白いですよね~

元銀行員だけあって組織内部まで詳細に描かれていますもんね。どの作品も特に前半から中盤と読み手にも凄いストレスを感じさせますよね。まあその重度のストレスが半端じゃないカタルシスなる為の屈伸みたいなものなんでしょうけど。

とにかく読後スカッとします! サラリーマン万歳!(白目)

 

オレたちバブル入行組

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

 

 主人公・半沢直樹は大手都銀の東京中央銀行にバブル期に入行し、今は関西支店の中でも中核店舗とされる大阪西支店で融資課長を務める。

上昇志向の強い支店長浅野匡の強引な命令により5億円の融資を行った「西大阪スチール」が、融資の直後に倒産してしまう。半沢は、西大阪スチールの経理課長、波野に問い質し帳簿を調べると、明らかに粉飾の痕があることに気付く。そこで社長の東田満に事情を聴くが、東田は開き直った末に失踪してしまう。5億円の融資失敗に怒った浅野は「粉飾を見破れなかった」として、半沢にすべての責任を押しつけ、知らぬ顔を決め込む。

オレたちバブル入行組 - Wikipedia

 

「やられたらやり返す、倍返しだ!!」でお馴染みの半沢直樹シリーズです。こちらも問答無用で面白い。銀行内部のそれぞれの役割や細かいポジショントークまで、銀行内で俯瞰しているように読み進められます。終盤までのストレスは存分に溜めておきましょう、とにかく「やられたらやり返す、倍返しだ!!」をきっちり実行してくれる半沢直樹の立ち回りに脱帽です。

 

白夜行

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

 

 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。 

 

本屋さんで文庫を手に取った瞬間思いましたね、こんなに読めねーよと。それがどうでしょう、読むのが遅い僕でもあれよあれよと2週間程度で読み終えてしまいました。

なんでもっと早く読まなかったんだろう、と後悔したのはこの作品が初めてです。それ位面白いです。850P程の分厚さも気になりません。重いけど。

本屋さんで見かけるけど分厚くて敬遠している、そんなあなたに是非おすすめの一冊となっております。

 

手紙

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

 

 弟の大学進学のための金欲しさに空き巣に入った武島剛志は、思いがけず強盗殺人まで犯してしまう。突然独りぼっちになり、途方に暮れる高校生の武島直貴だったが、謝罪するつもりで訪れた被害者の家の前で、遺族の姿を見かけただけで逃げ出してしまう。高校の卒業式の2日前の直貴の元に、獄中の兄から初めての手紙が届く。それから月に一度、手紙が届くことになる。 獄中の兄の平穏な日々とは裏腹に、進学、就職、音楽、恋愛、結婚と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、彼の前には「強盗殺人犯の弟」というレッテルが立ちはだかる。

それでも、理解してくれる由実子と結婚して一時期、幸せが訪れるが、娘の実紀が仲間はずれにされ、正々堂々と生きて行く意味を考えてしまう。そして剛志との縁を切るために、獄中の兄に宛てて手紙を出すのだった。

手紙 (東野圭吾) - Wikipedia

 

 同じく東野作品です。こちらも映画を先に観たという方も多いかもしれませんね。僕は一人っ子なので正直兄弟というものの本質が、あまり理解出来ていないのかもしれませんが、兄弟のいる方にはまた違った響き方をするかもしれません。

「魔が差す」という言葉がありますが、人の人生は本当に一瞬の選択で変わるものなんですね。色々と気づかせてくれる作品でした。

 

暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ

 

 目の見えないミチルの家に、殺人容疑で警察に追われたアキヒロという男が逃げ込み、気付かれないように潜み始める。数日後、ミチルは誰かがいることを確信するが、「もし悪い人で、襲われるようなことがあったら、舌を噛み切って死ねばいい」と思い、気付かないふりを続ける。しかし、アキヒロは物音を立てないよう静かにしているだけで、危害を加えるどころか、むしろミチルが大怪我をしそうになるところを助けてくれたりする。そんな二人の奇妙な共同生活。

暗いところで待ち合わせ - Wikipedia

 

シチュエーションが良かったですね。数奇な共同生活のお話で見ていてハラハラドキドキしちゃいました。何故か子供を見守るような親目線で。だって二人ともなんだか危なっかしいんだもの。でもそこが魅力の作品ですよね。

中盤から終盤にかけてはもはやバッドエンドだけはやめて! と祈って読み進めてました。ラストシーンは是非ご自身でお確かめください!

 

 殺戮に至る病

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 永遠の愛をつかみたいと男は願った――東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔! くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

 

前評判が高かったので読んでみたのですが、前評判通り面白かった。グロいけど。

一応ジャンルはホラーとなっておりますが、それよりも何よりも「”話の仕掛け”にきっと最後まで気づけない」というようなレビューが多かったので身構えて読んでいましたが、全然ダメ 笑

あれは最後の最後まで気づけないわ。是非読んで確認していただきたいです。

 

まとめ

いかがでしたか? 読んだことない作品はありましたか? この他にもご紹介したい作品がありますがそれはまた別の機会に。

しかしこうして並べてみるとかなり偏ってますね 笑

 

面白い本ないかなあ、と本をお探しの誰かのお役に少しでも立てば幸いです。

 

ではでは。