山と映画

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映画「恋妻家宮本」ネタバレ感想:「そこには優しさがない」という言葉に打ちのめされた…

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「家政婦のミタ」「女王の教室」といった人気ドラマを多数手がけてきた脚本家・遊川和彦の映画監督デビュー作。重松清の小説「ファミレス」を遊川自ら大胆に脚色し、熟年離婚が当たり前になった現代で、子どもが独り立ちした後の夫婦がどのように向き合っていくのかを、コミカルかつハートフルに描いた。ひとり息子の正が結婚して一人立ちしたことで、2人きりになった陽平と美代子の宮本夫婦。2人は大学時代に大学生時代に出来ちゃった婚で結婚したため、50歳にして初めて夫婦ふたりきりでの生活を送ることになる。そんなある日、陽平は美代子が隠し持っていた離婚届を見つけてしまい……。中学校教師で優柔不断な夫・陽平を阿部寛、専業主婦として家庭を切り盛りしてきた、しっかり者の妻・美代子を天海祐希が演じた。

恋妻家宮本 : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★★★☆

 

この二人が主演で面白くないわけない! と、思っていた通り面白かった!

子供が独り立ちした後の夫婦の話…ということだったので自分には感情移入できないかもなぁ、なんてことは無くて阿部ちゃん演じる”宮本陽平”にガッツリ心奪われた。

 

既婚、もしくは付き合って長いカップルには特に響くんでしょうね。

同棲中の僕でも「わかるわかる」と心の中で何度も頷いた位だし。

会話って大事。

 

実は僕も20代の時は、相武紗季演じる門倉さんのように「結婚なんてしないだろうな、てかしたくない」なんて考えていた。でも今では結婚したいと思っている。「それは何故?」と聞かれても上手く答えられない。

 

何と言えばいいか分からないけれど、本作に一つの答えを教えてもらえた気がした。そしてそれもまた、どんな答えなのか上手いこと説明できない 笑

けれどきっと本作を観て、結婚に否定的だった人や結婚を悩んでいる誰かの背中を「大丈夫だよ」って押してくれるのは間違いないと思う。

 

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「あなたは冷たい」、「優しくない」

妻の美代子(天海祐希)と陽平の受け持つクラスの女子メイミー(紺野彩夏)に陽平が言われた言葉だ。「ただ正しいことをして満足しているだけ」「そこには優しさがない」言われてドキッとした。まるで自分のことを言われているようだ。

 

そこなんだよね。僕は昔から付き合った女性に必ずこう言われてきた。同僚や仲間内と酒を飲んでもこれを言われたりする時があった。正しいことはしているのかもしれない。臭い物に蓋をするわけじゃないが、面倒な結論を先延ばしにしたり、その場だけ取り繕って笑顔でごまかして……大抵そういう時は時間が解決なんかしてくれない。

 

人間、歳を重ねるごとに自分なりの処世術も身に付けて、なるべく周囲との衝突を避け、時に自分の本音を心の奥に仕舞いこむ。でも言わないと後悔すること、しっかりと相手に何かを伝えたい時は波が立つのも覚悟で言わないとダメですね。

 

そして重要なのは相手が自分に何を求めているのか、それに対して自分は何が出来るのかを考えた上でモノを言わないと、ただの自己満足、オ●二ー野郎になっちまいます。

 

「あなたは冷たい…」のシーンは僕の背中をシャンとさせてくれたのと、忘れそうになっていた大切なことを再認識させてくれた心に残るシーンです。

 

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映画館だったからこそ、踏ん張ったけれど本作をDVDで一人鑑賞していたら泣いていた。そんなシーンが何か所かあった。館内で割と盛大に笑い声が聞こえる位コメディーで面白いシーンもあった。

 

思えば平日の昼間ということもあり、観客は熟年夫婦が目立っていた気がする。熟年夫婦の皆さんの目にはこの作品がどう映っていたのか気になるところ。

 

 

子供が独立して夫婦二人になるというのは、一体どんな気持ちなんだろう。はたから見れば、もの凄く立派なことだと思うし、なんというか羨ましい。

僕にはもちろんまだその気持ちは分からないけれど、趣味(僕の場合は登山)にはまりすぎて彼女の気持ちを蔑ろにしないように気を付けよう。

そしてなんだか無性にデニーズに行きたくなってきた。

 

 

ではでは