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映画「美女と野獣」ネタバレ感想:汚れた心のおっさんに教えてくれた……真実の愛!

美女と野獣

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満足度 ★★★★☆

 

世界興行収入10億ドル超のディズニー実写映画「美女と野獣」。ミュージカル映画としては史上最高とか!? ぶっちゃけディズニー映画はどこか苦手だったけど、本作でそんな印象が吹っ飛んだ! そして心が洗われた……

 

 

解説&予告

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名作ディズニーアニメ「美女と野獣」を、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン主演で実写映画化。「ドリームガールズ」のビル・コンドンがメガホンをとり、呪いで野獣の姿に変えられた王子と美しく聡明なヒロインのベルが惹かれ合っていく姿を描く。魔女に呪いをかけられ、醜い野獣の姿に変えられてしまったひとりの王子。魔女が残していった1輪のバラの花びらがすべて散るまでに「真実の愛」を見つけなければ、永遠に人間に戻れなくなってしまう。希望をなくし失意の日々を送っていた野獣と城の住人たちの前に、美しい町娘ベルが現れる。自分の価値観を信じて生きるベルは、恐ろしい野獣の姿にもひるまず、彼の持つ本当の優しさに気づいていく。王子役をテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のダン・スティーブンス、町一番のハンサム男ガストン役を「ホビット」シリーズのルーク・エバンスがそれぞれ演じるほか、燭台のルミエール役でユアン・マクレガー、時計のコグスワース役でイアン・マッケラン、ポット夫人役でエマ・トンプソンが出演。

美女と野獣 : 作品情報 - 映画.com

 

監督

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監督はビル・コンドン。なんと言っても「ドリームガールズ」 「シカゴ」などミュージカル映画と縁が深いらしい。自身もニューヨーク出身で幼いころからミュージカルを観て育った模様。生粋のニューヨーカーってやつだよね、かっこいい。その他「トワイライト・サーガ」シリーズもビル・コンドン監督なんだね。

 

でも海外の映画ファンから評価が高いのが、1998年のアカデミーで脚本賞も取った「ゴッド・アンド・モンスター」という作品らしい。次いで2004年、リーアム・ニーソン、ローラ・リニー出演の「愛についてのキンゼイ・レポート」、イアン・マッケラン、ローラ・リニー、そして真田広之も出演している「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」と続く。

 

ランキングは以下からどうぞ。

ビル・コンドン監督のおすすめ作品ランキング~海外の観客が選んだ! - アートコンサルタント/ディズニーやミュージカル、ビジネス情報サイト

 

ぶっちゃけ僕は監督の作品では「ドリームガールズ」「トワイライト」シリーズしか観てないが、本作にはこだわりを持って臨んだそう。VOGUEのインタビューもリンクしておきます。

 

www.vogue.co.jp

 

キャスト

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主役のプリンセス、ベル役を務めたのは「ハリーポッター」シリーズでお馴染みのエマ・ワトソン。本作ではミュージカルに初挑戦。キレイな歌声で「お、歌もイケるじゃん!」と思ったけれど、喉のケアにかなり気を使っていたようで……大好きなチョコレートも封印を命じられたらしくかなり辛かったと…

女の子だもんねぇ、そら辛いわ。チョコレートって喉にあまりよろしくないのか…

 

最近のエマ・ワトソンのイメージは国連女性親善大使としての活動や、白ボレロ一枚の写真イメージが強かったのでゴシップに疎い僕ですら「何か変な方向に行っちゃいそう…」と少し心配していた。でもそこはやっぱりエマ・ワトソン、本作でしっかり本業の女優でバッチリ輝いていた。

 

次はトム・ハンクスと共演の「The Circle」が4月に全米公開予定。ソーシャルメディアでつながりすぎた社会を描くディストピア作品に、主人公メイ役で出演。日本公開はまだ未定。

 

 

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そして野獣、王子役はこの人ダン・スティーブンスさん。イギリス出身の34歳。ケンブリッジ大学在学中にTVドラマ「フランケンシュタイン(原題)」で俳優デビュー。完璧かよ。この顔で賢くて演技も出来るとか…

映画デビューは2009年の「Hilde(原題)」、ブレイクしたのは観たことは無いけれどよく聞く10年にスタートしたTVシリーズ「ダウントン・アビー」、マシュー役を演じてブレイクしたみたい。

 

ダンさんの出演作で僕が唯一知っていたのが「ナイト ミュージアム エジプト王の秘密」のランスロット役。「あぁ…あの鎧の」みたいな。それもググってから思い出す、みたいな。なので、本作で世界中に名前が売れちゃうんじゃないの~!?

ダン・スティーブンスの時代がクル━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

 

その他

ケビン・クライン(モーリス)    

ルーク・エバンス(ガストン)

ジョシュ・ギャッド(ル・フウ)    

ユアン・マクレガー(ルミエール)    

イアン・マッケラン(コグスワース)    

エマ・トンプソン(ポット夫人)    

ネイサン・マック(チップ)    

オードラ・マクドナルド(マダム・ド・ガルドローブ)    

ググ・バサ=ロー(プリュメット)    

スタンリー・トゥッチ(カデンツァ)    

ハティ・モラハン    

ソノヤ・ミズノ

 

感想

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「何だよこのいい話!」 映画館だってのに、おっさん号泣しそうになっちゃったじゃねーか!!! これまで世界の興行収入で10億ドル以上は伊達じゃなかった。

ベル役もエマ・ワトソンで大正解。村の娘からプリンセスまでバッチリハマってた!

 

朝一の上映会で鑑賞してきたんだけれど、やっぱり圧倒的に女性が多かったなぁ。もしくはカップル。おっさん単独は少なかった。それでもしっかり老若男女問わず感動させちゃうんだからディズニーってやっぱりすごい。

 

ディズニー映画と言えば先日観た「モアナと伝説の海」を思い出す。あの映画は観る前「いい歳こいたおっさんが一人で観に行くもんでもね~よなぁ…」なんて思っていたけど鑑賞後は「おもしれええええええええええ!!!」となったので「美女と野獣」にはかなり期待していた。

そして期待以上の出来だったので半笑いでこの記事を書いている。ディズニーにハマる人の気持ちが少し理解できたように思う。

 

ストーリーはもちろんなんだけど、何と言ってもエマ・ワトソンが素晴らしかった。特別彼女のファンではないけれど、本職のミュージカル女優さながらに歌う彼女の歌声は「上手い! ミュージカルもいけるやん!」と、ついガタッとなってしまった。女性なんだけど、ネットでよく言われているようにとにかくイケメンだよね。中世的な魅力がある。だからバストを強調するようなドレスや衣装でも全然いやらしさを感じない。(それはどうなんだ…って話かもしれないけれど)

 

エマ・ワトソンがもし宝塚にいたとしたら男役でもいけるんじゃないかね? 165㎝らしいので身長が少し足りないか…

 

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ベルは「村からは変わった娘扱い」と自分でも言っていたけど、これだけ可愛ければ多少変わっていようが粗暴だろうが許されちゃうと思う。というかこの村、他にベルト同い年位の女の子いた? 見落としているだけかな。きっとあれだ、若い女の子でこれだけ可愛いから村のお姉さま方は嫉妬してたんだろうなぁ

 

「人を見た目だけで判断してはいけない。」というのが本作の一つのテーマだと思うんだけど、王子の魔法が解けて野獣から人間に戻った姿がイケメンだからよかったよね。王子役がブサイクじゃしょうがないんだけど。でもきっとベルなら野獣のままだろうがブサイクだろうがきっと変わらずに愛してしまうんだろう。エマ・ワトソンはそんな風にも思わせてくれる女優さんだと思った。

 

そんなビジュアルも性格も素敵なベルとは対照的なガストン(ルーク・エバンス)は個人的に好き。彼へのヘイトが大きければ大きいほど、この映画は成功するもんね。あいつはいきなり現代の日本にタイムスリップしてきたとしても、上手くやっていける図太さを持っている。ずるいし。

 

「美女と野獣」て元は1740年でしょう? 昔っからああいうずるがしこい奴っていたんだね。SNSなんて当然ないだろうから「言ったもん勝ち、やったもん勝ち、我の強い声の大きい人間が絶対!」みたいな雰囲気だったんだろうか。本作だと割とそんな感じ。群衆もガストンの言葉を疑うことなく信じていたし。

 

橋が崩れて落ちてしまうエンドもあれはあれで良かったけれど、ガストンに密かに思いを寄せるル・フウ(ジョシュ・ギャッド)とハッピーエンドってのもLGBTが叫ばれる昨今、個人的には良かったんじゃないかなと思った。ル・フウ可愛いよル・フウ

 

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その他、ルミエール(ユアン・マクレガー)やコグスワース(イアン・マッケラン)扮する時計や蠟燭台達が、観ていてとても温かい気持ちにさせてくれた。「真実の愛」もまた本作のテーマだけど、なにも恋愛だけでなく主を想う屋敷の使用人たちの愛というのも一つの愛の形。「ご主人様を見た目だけで判断しないであげて」なんてセリフには、分かっちゃいたけどつい涙ぐんだ。

 

「人から愛されなければ呪いは解けない」という意地悪な呪いだけど、なんだか現代にぴったりだと思った。誰だって人から愛されたいもの。そして愛されたいなら自分から誰かを愛さなきゃならない。面倒だけど。愛だよ愛。

 

序盤の野獣の癇癪やとっつきにくい感じは、無駄に頭でっかちなのが多い現代人と重なる。そしてベルとの心のふれあいで気付いていく。自分も変われば相手も変わる。どんどん素直になっていく野獣の姿は観ていてとても良かった。うん、もっとお外に出よう。

 

そんなわけで、ディズニーらしいとても素敵なお話でした。

 

 

ではでは