山と映画

山と映画

ネタバレ映画感想、登山ネタ中心のお気楽雑記ブログ

映画「ひるね姫 知らないワタシの物語」ネタバレ感想:ロボ、魔法、近未来、片田舎…とにかく色々詰め込み過ぎィ!

f:id:Gorillan:20170320114748j:plain

「攻殻機動隊S.A.C.」「東のエデン」の神山健治監督によるオリジナルの長編劇場アニメーション。東京でオリンピックが開催される2020年、岡山県を舞台に、居眠りばかりしている女子高生・森川ココネが、いつも見る不思議な夢を通して家族の秘密に迫っていく姿を描く。東京オリンピックの開幕が目前に迫った夏。岡山県倉敷市・児島で、車の改造ばかりしている父親と2人で暮らす女子高生のココネ。最近は常に眠気に襲われ、家や学校でも居眠りばかり。さらに、寝ると決まって同じ夢をばかり見ていた。そんなある日、父親が突然、警察に逮捕され、東京へ連行されてしまう。ココネは父がなぜ逮捕されたのか、その謎を解くため、幼なじみの大学生モリオを連れて東京へ向かう。そして、その過程でいつも見る自分の夢の中に、まだ知らない両親の秘密があることを知る。劇場アニメの声優は初めてとなる高畑充希がココネ役を務め、ココネ名義で主題歌も担当。そのほか江口洋介、満島真之介、高橋英樹らが声優出演。

ひるね姫 知らないワタシの物語 : 作品情報 - 映画.com

 

youtu.be

 

満足度 ★★★☆☆

 

う~ん、普通です。夢と現実がリンクしている点については良いんだけど、”昼寝”である必要はあまり無かった気がする。でもサイドカーのハーツがタチコマカラーだったことに少し感動した。

 

どうしても神山健治監督といえば「攻殻機動隊S.A.C.」のイメージになってしまう人も多いのではないだろうか? 僕は全てのアニメの中で「攻殻機動隊S.A.C.」が一番好きだ。逆に同監督が原作、脚本、監督した「東のエデン」は個人的にイマイチ…

なので本作「ひるね姫」については映画オリジナルとのことだったので、正直どんな作品になっているのか予想もつかなかった。

 

結論は冒頭で述べた通り「うわぁ…微妙…」という気持ち。その気持ちに拍車をかける声優陣。「なんだよ、やっぱりそっち寄りなのかよ」と普通の人からすればどうでもよいところが気になってしまう。でもなぜか声優に有名な俳優さんを使うアニメ映画は、寂しさを感じる。これは深夜アニメをこよなく愛する人達には、少しだけ分かってもらえるかもしれない。そんな中でくぎゅううううボイスが聞けて良かった。

 

と、そんなことはどうでもいい…脱線しすぎ。

ストーリーは解説にある通り、父がなぜ逮捕されたのかを追いかけて夢と現実をまたいだ旅に出る。夢の世界と現実世界を行ったり来たりしながら話は進行していくので、場合によっては観ている側がストレスを感じる。この間のアサシンクリードのように。

 

でも本作はそんなストレスを一切感じさせていなかったように思う。アニメーションだからなせる技なのか、見せ方が上手いのか。

だからといってめちゃくちゃ感動したか? 魂を揺さぶられるほど面白かったか? と言われるとそれは無い。2020年という近未来、完全自動運転技術、魔法、ロボ、美少女、片田舎と面白くなる要素てんこ盛りなのにね。不思議。

 

これは完全に僕の主観だけど、何を描きたかったのかのバランスが悪かったように思う! 父子、そして亡き母や祖父とのハートフルな部分なのか、ジョイやハーツ、モリオとの旅? ソフトやハード、技術や魔法のこと? もちろん全て描きたかったんだろうけどさ…とにかく色々詰め込み過ぎ。中盤でのストレスが弱かったのも原因かも。

誰も死にそうなピンチも無ければ絶体絶命ピーーーーンチ! みたいなのも一切ない。

 

だからラストも「あ、ふーん、まぁそうなるよね」みたいな気持ちになってしまう。

「いやマジで危なかったな! 死んだかと思ったよ! ふぅ~でもこれでハッピーエンドだな!」って感動が無いんだよなぁ

中学生ぐらいだと存分に楽しめるかもしれないね。

 

f:id:Gorillan:20170320125014j:plain

f:id:Gorillan:20170320125022j:plain

 

各キャラクターは皆良かったね! ココネも元気で可愛いし岡山弁もマッチしていたし。幼馴染で理系オタのモリオや元ヤンで寡黙な父、ジョイやハーツも好感持てた。贅沢を言えば、ココネの母ちゃんイクミをもう少し登場させてほしかったなぁ。というかイクミは何でまた岡山へ行ったんだろう。

 

主要キャラは良かったけど、敵キャラが弱いよね。これはアニメも実写映画もそうだけど中途半端なボスキャラほどいらないもんは無い。今回は特にココネの祖父の会社、その会社の取締役だったのでしゃーないかもしれないけれど。

雑魚過ぎた。あまりにも雑魚過ぎたのが問題。どうせならもっと雑魚なら突き抜けて楽しかったのかもしれない。

 

もういっそ倉敷を舞台に森川親子の日常学園モノでTVアニメ化すればいいのに…たまにロボや夢の話でもやってさ。そうそう倉敷と言えば映画館で「ひるね姫×くらしき スタンプラリー」なる冊子を貰った。最近は聖地巡礼を積極的に勧めてくるね。

でも聖地巡礼ってのはこうじゃなくてさ…こう……さり気ない感じがいいんじゃね? これじゃどこかの鴨川といっし……

 

まぁそれはともかく、瀬戸内ってのは絵になるね。隣の広島もそうだけど聖地巡礼できる場所が何カ所かあるので併せて行ってみたいなぁ。

 

f:id:Gorillan:20170320131329j:plain

f:id:Gorillan:20170320131323j:plain

 

そんな訳で面白い要素が全て詰まっているはずなのに、カタルシスが微妙に味わえない本作なのであります。でもココネの底抜けに明るいキャラに元気をもらえたと思うので良しとしよう。

 

そしてラスト、エンドロールでココネの両親の出会いが流れる。きっと観客も、もっとココネの母であるイクミのことが知りたい、二人の出会いが知りたいと思っていたはずなので、このエンディングはとても良かったと思う。痒いところに手が届くというかなんというか。この演出が無ければ僕もきっと★を一つ減らしていたと思う。

 

今日は春分の日。朝一の会だというのにほぼ満席だった。最近「君の名は。」「この世界の片隅に」とアニメ映画が大ヒットしているので、普段アニメを見ない人の関心もきっと強いんだね。年配の人も結構いたので驚いた。

 

そんなことより何よりも、神山監督にはまた「攻殻機動隊S.A.C.」の三期を是非……ARISEはもうお腹いっぱいだよ…

 

 

ではでは