山と映画

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ネタバレ映画感想、登山ネタ中心のお気楽雑記ブログ

映画「3月のライオン 前編」ネタバレ感想:面白かったけど原作未読のアニメ組はちょいちょい出るネタバレに注意…

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羽海野チカの大ヒットコミックを、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督&「バクマン。」「君の名は。」の神木隆之介主演で実写映画化する2部作の前編。幼い頃に交通事故で両親と妹を亡くし、父の友人である棋士・幸田に引き取られた桐山零。深い孤独を抱えながらすがりつくように将棋を指し続けてきた零は、中学生でプロ棋士の道を歩みはじめる。しかしある事情から幸田家での居場所を失い、東京の下町でひとり寂しく暮らしていた。そんなある日、和菓子屋を営む川本家の三姉妹と知り合った零は、彼女たちとの賑やかで温かい食卓に自分の居場所を見出していく。零のライバルで親友の棋士・二海堂晴信役を染谷将太が特殊メイクで演じるほか、有村架純、佐々木蔵之介、加瀬亮ら豪華キャストが結集。

3月のライオン 前編 : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★★★☆

 

面白かった。僕は原作未読、アニメは視聴済みという感じなので、ちょいちょいネタバレもあったりして複雑なところもあった……(アニメは第二シリーズが10月からなので)その他、二階堂(染谷翔太)の演技が脂っこ過ぎた。あんなに力を込めて話さなくてもよかったんじゃね? それ以外は完璧ってほど良かった。

 

原作漫画の実写映画ってやつは、ファンならどうしても比較しちゃうよね。僕の感想もきっとアニメと比較してしまうと思うのであしからず。

まずアニメ組から言わせてもらえば、前編でどこまで描かれるのかよく分かっていなかった…というか後編が4月22日スタートらしいので「あ、アニメとは微妙に連動してないんだ…」とおっさん少し切なくなった。アニメは先週第一クールの最終回が終わったところなので、てっきり映画もここまでを描くもんだと思っていた。

 

だから「前半かぁ…どの辺りで切るんだろう」なんて考えていたもんだから後藤九段の奥さんの事情や二階堂の難病のくだりになった時は「えっ…そうなん!?」て面食らった。「事前にHP見るなりネットで情報仕入れとけや」って話なんだけど、基本見ずに鑑賞するのでしゃーないんだけども。

 

原作未読ではあるけど、キャスティングはこれ以上ないって位キャラに寄せてきていたんじゃないかと。零も神木きゅんで大正解でしょう。たまたまTVで神木君のインタビューを見たが、彼は今回髪は自分で散髪していた模様。「零ならきっと将棋以外のことはこんな風にするのでは? と思いまして…」なんて答える彼を見て、少しだけ親心が分かった。神木くん大きくなったよなぁ。感慨深い。似てたし。

 

そして男子諸君なら当然川本三姉妹の長女、”あかりさん”の配役が気になっていたことだろう。僕も映画化が決まって、まず最初に調べたのはこの点だ! 

そして”倉科カナ”という名前を見て大いに感心したものだ。うむ。キャスティング担当した人、有能有能アンド有能。そして映画でもバッチリだった。優しさも母性も滲み出ていたよ。職場(伯母経営のクラブ)でのドレスはもう少しどうにかならんもんか…と思ったけれど。

 

個人的には島田八段(佐々木蔵之介)のファンなので、どう描かれるのか楽しみだった。そして佐々木蔵之介さんはまごうことなき島田八段だった。

佐々木さんも胃腸の弱そうな雰囲気出てるもんなぁ(偏見)

あわよくば島田さんの研究会の様子や、故郷山形での島田さんをもう少し見たかったかなぁ。島田さんだって段位八段で凄いんだけど、苦労の人として描かれているよね。

 

胃がキリキリで死にそうな顔をぶら下げて全力で対局に臨む姿や、地元の気持ちに応えたい。何とか故郷に恩返しがしたい。そんな気持ちを持って盤上に向かう姿にアニメを見るたびいつも心を打たれていた。「頑張れ!」って応援したくなる人だよね。

こういう人になんとか名人になってもらいたいもんだ。地元のじいちゃんばあちゃんは、いつも変わらず「開、焦るな」って笑顔で送り出してくれて。そんな応援してくれている人達の為にも本人も宗谷名人に勝ちたかっただろうなぁ。

 

とにかく佐々木蔵之介さんの違和感なさ過ぎ、そして島田八段の人柄がとてもマッチしていたように思うので満足。島田八段に幸あれ。

 

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初めは138分と長いかな? なんて思っていたけど全然そうじゃなかった。原作未読の僕からしても割と駆け足展開だな、と感じた。でも肝心なシーンをバンバン詰め込んでいる感じなので原作もアニメも見ていない人からすると、非常に濃厚な内容だなと感じるのではないだろうか。

 

映画の限られた時間の中で、零自身のこれまでの生い立ちや幸田家、川本家とのやりとりの様子や学校での色々を描くのはどうしたって限界がある。学校や先生パートが少ないのもしょうがない。(先生、他にも沢山零に良いこと言ってたり)

川本家パートはもっとあっても良かったんじゃないかとは思うけどね…

でも継ぎはぎだらけのような感じは一切なかったので、それは監督さんが上手いんだろう。

 

そして「零の「将棋しかねぇんだよぉおおお!」シーンのドラムや、獅子王戦の島田VS後藤でのヴァイオリンなど、音での演出も映画ならではで良かった。ジャズではないものの、勝負ごととジャズの相性っていいわ。

ラストであんな風に終わると続きが気になっちゃうのはしゃーないけども。「おぉぉぉおい! そこで終わりかーい!」みたいな。これは原作が売れますわ。

 

というか後編てどんな気持ちで観ればいいんだろう。そしてまたアニメも10月から第二クールが始まるという。追い越しちゃう……まぁいっか、しゃーない。

 

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もしや最近将棋ブーム来てる? 映画や漫画、アニメ、ネットでも人間VSAIなんて感じで盛り上がっているよね。ググると将棋人口は’14年の時点で850万人とかなんとか。この数字が多いのか少ないのか分からないけど、僕の愛する登山人口とほぼ同じくらいと考えるとなんとなく親近感。

 

将棋に関しては若い棋士が増えているかどうかわからないけど、こういう映画が将棋に関心を持つきっかけになるのでこれからも続くと良いと思う。カルタだって”ちはやふる”のおかげで競技人口が大分増えただろうし”ヒカルの碁”は言わずもがな。”咲”は…まぁ…うん……

 

登山映画もバッドエンドばかりじゃなくて、こうもっと明るくて若い子が関心を持つような映画を作れないもんかなぁ……”ヤマノススメ”実写化待ったなし。

 

いずれにせよ、後編が今から待ち遠しいということは間違いない。一週間ずらし位で上映しちゃえばよかったのに。まぁ首を長くして待つとしよう。将棋のルールが分からない人はこの一か月で将棋のルールを覚えてしまえばいいよ。将棋の描写は抑え目でルールの分からない人でも十分楽しめる映画だけど、知らないよりは知っておいた方がいい。

 

というか将棋は楽しいよ。僕も子供の頃、親父に将棋を教えてもらった。でも肝心の詰将棋をしたことが無いので、文字通り詰めが甘い。人生においても詰めがあま……それはいいとして、将棋をさせるとどこへ行ってもおじさん、おじいさん連中とはすぐに仲良くなれる。(それもどうなのって話だけど 笑)

とにかく覚えて損はなし。興味があれば是非。

 

 

ではでは