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映画「パッセンジャー」ネタバレ感想:SF大作ってより恋愛映画の色が強かった!男女で評価が分かれそう…

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「ハンガー・ゲーム」「世界にひとつのプレイブック」のジェニファー・ローレンスと「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラットが主演を務め、宇宙船内で極限状態に置かれた男女の愛と運命を描いたSF大作。20XX年、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、新たなる居住地を目指して地球を旅立ち、目的地の惑星に到着するまでの120年の間、乗客たちは冬眠装置で眠り続けていた。しかし、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年近く早く目覚めてしまう。絶望的で孤独な状況下で生き残る方法を模索するうちに、2人は惹かれ合っていくのだが……。「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・ティルドゥム監督がメガホンをとり、「プロメテウス」のジョン・スパイツが脚本を手がけた。

パッセンジャー : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★★★☆

 

良かったんじゃない!? SF大作ってより恋愛映画の色が強かったね。移住計画や宇宙船はさておき、二人はこれからどうするんだろう? ってのをずっと眺めている感じ。登場人物が少ない中で、バーテンのアーサー(マイケル・シーン)が良いアクセントになっていた。とりあえず一番可哀そうなのはガス艦長(ローレンス・フィッシュバーン)ってこと。

 

「you'll die i'll die」と散々予告編で聞いていたのでついに来たか! って思いながらオープニングを観ていた。人類移住計画っつーことで5,000人の乗客と260人? だかのクルーを乗せて120年の時を経て第二の地球(植民地)へ。まだ90年もあるところでジム(クリス・ブラッド)が起きてしまうという少し可哀想、というか残念なお話。

 

オーロラ(ジェニファー・ローレンス)はどんな風に登場するのかと思いきや、ジムが冬眠中のオーロラに一目惚れして起こしちゃうという胸糞展開だ。「まぁ、一年も一人で宇宙船の閉鎖空間で過ごしていたらそんな気にもなるわな」到着まで90年弱あるのに他人を起こすのはある意味殺人なんだけど、ジムの気持ちも痛いほど分かるのでここらはそんなモヤモヤを押し殺して観ていた。

 

でもジムの良くないのが、故意に起こした事実をバレるまで隠し続けていたところ。バーテンのアーサーのおかげで真実が露見するけど、起こされた側のオーロラはたまらんね。正直「ざまぁああああああああああああああ」だよね。

というか、ここからまた二人はどうやって盛り上がっていくんだろうって思った。

オーロラからすると、変態鬼畜おじさんと同じ船で一生を過ごすというベリーハードな人生が待っている。かわいそう。

 

そんな時に現れるのがガス艦長。もはや二人の仲を取り持つためだけに起きたといっても過言ではない。登場して自分のマスターキーを渡し、解決策だけ伝えたらすぐ死亡……ローレンス・フィッシュバーンの無駄使いワロタ。いや笑っちゃいけないんだけど、ここだけは「雑ゥ!」って感じだ。

 

そして宇宙船のシステム故障。うん、まぁそうなるよね。それしかないもの。この故障を直せば元通り。直せなければ船は沈む。分かっちゃいたけど、この辺りでオーロラはジムをもう許してた。それは観客や僕も同じだったと思う。

 

 

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斜に構えた見方をすれば、そりゃあ全てご都合主義で話が終わる。でもそんな風に見なければとても素敵な運命だと思った。幸か不幸か技術者のジムがポッドの故障で起き、そのジムが作家のオーロラに惹かれてしまう…

最後の宇宙船の故障を直す危険なミッションだって一人では出来なかった。もっと言えば惹かれ合った二人だからこそ成功したとも言える。これでジムが超絶ブサイクのキモオタだったら船は沈んでいたに違いない。

 

そして何が素敵って、ガス艦長のおかげで一人はまた冬眠可能な状況なのに、冬眠を進められたオーロラも冬眠せずジムと人生を共に過ごしたということ。オーロラは初めて自分のことを執筆したと言っていたけど、とても幸せだったんじゃないかな。

 

88年後……冬眠から乗客が次々に目覚めてグランドロビーに到着すると、そこは中央のシンボルツリーを中心に豊かで美しい木々や植物に覆われていた。ジムもオーロラもそこには居ないけど、あの美しさが二人の人生がいかに素晴らしいものだったのかを表していた。そして僕も救われた気がした。よかったよかった。

 

ラストとバーテンのアーサーを抜かせば、登場人物はジムとオーロラの二名のみ。よくよく考えれば凄いよね。ほぼ二人だけなのに全然長さを感じなかったもの。この映画もある意味ワンシチュエーション。ただ単に二人が目覚めたわけでは無かったのが良かったのかもしれない。

 

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途中、ジムがオーロラを故意に起こしたのがバレた時は「えぇ……どうすんのここから…ストックホルム症候群展開にでもなるのかな…」と思ったけど、終わってみればとてもいいカタルシスが味わえた。終わり方も良かった。脂っこくないこういう感じ大好き。

 

告知を見た時は「ま~た宇宙でごちゃごちゃすんのか」と思っただけで、サンドラ・ブロックのゼロ・グラビティ展開なんだろうなぁ…って感じで期待していなかっただけに、思いの外面白かったので個人的には満足。

男女でも評価が分かれそう。男性よりひょっとしたら女性向けの映画なのかもしれないね。デートムービーにはぴったりだと思う。

 

 

ではでは