映画「ホームレス ニューヨークと寝た男」ネタバレ感想:身だしなみとコミュ力ってやっぱり大事!
ニューヨークで家を持たずに生活しているファッションフォトグラファーの男性マーク・レイに密着したドキュメンタリー。モデルや俳優としても活動する52歳のマーク・レイは、ハンサムでチャーミングなルックスにブランド物の高級スーツを着こなし、一見すれば誰もがうらやむ華やかな「勝ち組」だが、実はすでに6年間、家のない生活を続けている。厳しい競争にさらされる現代社会を生き抜く上で、レイは家族も恋人も持たず、ホームレスとして生活するライフスタイルを編み出していた。自らもファッションモデルで、レイの友人でもあるトーマス・ビルテンゾーンが、レイからホームレス生活を打ち明けられたことをきっかけに、ファッション業界の裏事情や、新しいライフスタイルの象徴として今作を企画。自ら監督を務めた。音楽をクリント・イーストウッドの息子で、ジャズミュージシャンのカイル・イーストウッドが担当。
満足度 ★★★★☆
面白かった! どんな大人でも楽しめる作品だけど、”自営で独身”なんて人には特に刺さるんじゃないだろうか。僕は彼の胸中まで覗けるわけでは無いけれど、作中で彼が話している言葉はとても共感できた。
ドキュメンタリー映画なので、淡々と彼に密着しているだけ。「情熱大陸」をTBSじゃなくて海外の政策陣で作りました、みたいな。
ポスターを見ると、ホームレスとはいえ一見ハリウッドで大成とはいかないまでも順調にキャリアを築いている俳優さんのように見えた。そう思わせることが作戦なのかどうかは分からないが、彼は作中でガッツリホームレスだった。しかも6年間。
ただし、ホームレスとは言っても道端で見かける路上生活者ではない。
友人が住むアパートメントの屋上に寝床を築き、ジムのロッカーに衣類やPC、仕事道具であるカメラを置いている。
ファッション業界のホームレスはその辺りもお洒落なのだ。
そして何よりこの人、コミュ力お化け。コミュニケーション能力が半端じゃない。「あぁ、これなら食いっぱぐれはないな」なんて思った。
カメラマンて人種が周囲にいないので分からないけど、皆そうなの? だとしたらすげぇ。
驚くのはそれだけではなくて、バイタリティも半端じゃない。元気。とにかく元気。朝6時半に起きて、深夜の2時半頃まで飲んで…んで翌日もまた…
どこで疲れを取っているんだろうって心配になるレベル。
彼はどんなジャンルでもトップクラスの営業マンになれると思う。
そんな彼でも時には弱音を吐く…というかボヤいているだけなのか。
「たまに自分にイラつくときがある」
「どこで迷った?」
「母にまだ何も孝行出来ていない」
「3年前、真剣に自殺を考えた」
なんて言葉を聞いて、どこか安心した。
この生活をする上でのコツ? のようなものなか、「クタクタになって帰ってくること」が大事らしい。眠れないと余計なことばかり考えてしまうようだ。
どこのシーンか忘れたけど、「過去のことはあまり考えない、未来のことしか考えていない」というようなことも言っていた。でも人間ふとした瞬間にネガティブなこと考えたりもする。彼もスーパーマンでもなんでもなく、昔はニュージャージーの田舎から夢を抱いてNYに出てきた若者の一人だったんだろうな…と思うと勝手に親近感すら覚えてしまう。
作中には顔出しはしていないが、彼の母も登場している。
実家に帰って一緒に買い物に行ったみたいだ。母ちゃんは察するに日本で言う後期高齢者。自分の納得いく親孝行が出来るといいですね。
生々しいところだと口座残高までは流石に晒しているわけでは無いけど、日々の生活は大変そうではあった。
ジム代、医療費、食費などホームレス生活とはいえ1,200~1,500ドルは毎月かかると。究極のミニマリストとはいえやはり人間、生きていくだけでお金はかかるもんだ。
この映画を観て得た教訓、また再認識したことは3つ。
見た目は大事
街で彼を見かけたら誰も彼をホームレスだと思わないだろう。そして彼は必ずしも高級品を身に着けているわけでは無い。自分でも言っていたが「高級靴に見えるだろ? 200ドル以下だけど」のように、そう(高級そう)見えればいいのだ。
見た目というよりも、ホンモノに近いモノを選べる目が大事と言った方が正しいかも。でもこれ、とても難しい。買う買わないは別として、より多くのホンモノを見ないと養われないと思う。
どんなシチュエーションでも最低限、身なりには気を付けたいものですね。
好きなことで食っていくのは辛いかもしれないけど充実している
もっと上手な言葉があると思うけど 笑
マークさん、時には辛そうだけれど凄い輝いて見えた。やりたくない仕事を嫌々やっている人の顔ではない。そしてなにより楽しそう!
カメラの世界がどれだけ辛いか想像でしか話せないけど、そんな世界にいながらも毎日思い切り生きている感はもの凄く伝わってきた。
自分も毎日全力で生きていこうと再認識。
サーマレスト最強
さーせん。分からない人はここ読み飛ばしてください。
サーマレスト・マットレス クローズドセルマットレス - Therm-a-Rest® Closed-cell Mattresses
マーク氏も寝床で愛用しているマットが多分こちら。やっぱりアウトドアには欠かせません。今年の夏、テント泊用に新しいマットを買い替えようと思っていたけどやっぱりサーマレストにしよう。
”無上の喜びを追及せよ ただし悪夢を生きる覚悟で”
10年後、マーク・レイ氏がどんな紳士になっているのか、その時また映画で観たいと思いました。
ではでは