山と映画

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映画「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」ネタバレ感想:努力しても駄目なこともある。 でも、努力し続けるしかない。

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ごく普通の女子高生たちによるチアリーダー部が、全米チアダンス選手権大会で優勝を果たした福井県立福井商業高校の実話を、広瀬すず、中条あやみ、天海祐希らの出演で映画化。高校に入学した友永ひかりは、中学からの同級生の孝介を応援したいという軽い気持ちでチアダンス部に入部する。そんなひかりを待ち受けていたのは、顧問の早乙女薫子によるスパルタ指導。おでこ出しは絶対必須、恋愛は禁止という厳しく部員たちを指導する早乙女は全米大会制覇を目標に掲げていた。早乙女の指導に周りの部員たちが次々と退部していく中、チームメイトである彩乃とともに、チアダンスを続けていく決意をしたひかりは、仲間たち、そして早乙女とともに大きな目標に向かってまい進する。主人公ひかり役を広瀬、彩乃役に中条がそれぞれ演じ、山崎紘菜、富田望生、福原遥らフレッシュな若手女優たちが共演。顧問の女性教師・早乙女役を天海が演じる。監督は「鈴木先生」「俺物語!!」の河合勇人。

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★★★☆

 

もはや見なくてもオチまで分かっている映画なのに良かったよ。やっぱり一生懸命何かに打ち込む姿というのは感動を与えてくれるね。ノイタミナ辺りでアニメ化しても面白いかもしれない。女子高生の青春モノで感動したのはアニメ版の「ちはやふる」以来だ。

 

高校3年間を二時間でまとめないといけないから制作側も大変だっただろうなあ。本当は県大会や全国大会で宿敵がいたりしたのかもしれないね。でもそんなに端折った感じが無くて、アメリカ大会まで上手くまとめていた。ご丁寧に~数年後~まであったのは嬉しかった。数年後…も実話なのかな? だとしたら尚更感動ものだ。

 

高校三年間なんて今思えば本当にあっという間だった。部活動をしていた人は更に早く感じるかもしれない。だから二時間という駆け足で三年間を描かれても、実はそんなに違和感を感じないのかも。ちなみに僕も中・高はバスケ部で汗を流した。強豪でもなんでもない普通の学校だったけど、吐くほど走らされたり辛い思いも込みでいい思い出。

 

そして、主要メンバーの葛藤や成長していく姿に共感する人も多いのではないだろうか。バスケ部で部長だった僕は彩乃(中条あやみ)にとても共感した。面倒くさいよね、部長ってのは。あれだけの人数をまとめあげ、調子悪そうな人はケアしてあげて、その上で一番練習でも努力しなきゃいけない。エースが他にいたとしても。

 

全米大会での最終日、彩乃はセンターから外されることを受け入れた。それはチームの為に、勝つ為にということを一番理解しているからだ。悔しくないわけないよね。彼女は強くなる為なら周囲に嫌われることも厭わないストイックな娘だけど、「努力しても駄目なこともある。 でも、努力し続けるしかない。」ということも分かっている。

すげえ。ただのサルだった高校生時代の自分をぶん殴りたくなる。

 

 

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ひかり(広瀬すず)も良かったね。広瀬すずをスクリーンで初めて見た。キャスティングのせいなのか分からんけど、なんか主役オーラがあるよね。他にもキレイで可愛い女優さん沢山出てるのに。だから最後、センターにひかりを抜擢した先生(天海祐希)の気持ちも良く分かる。

 

「笑顔 だ け は良いんだよなぁ…この娘は」と序盤では小ばかにされていたけど、終盤ではコーチ(陽月華)から「それだけじゃない、チアに一番大事な本当に誰かを心から応援してあげる気持ちをこの子は兼ね備えてる」と言わしめた。

それは観た人全員少なからず理解できるんじゃないかな。それ位輝いていた。

 

僕の一番好きなシーンは全国大会の舞台袖で、ひかりが皆を鼓舞して送り出した直後。あんな表情されるとね……観ているこちらもグッときちゃうよ。危うく涙が溢れそうになった。

皆と一緒に踊りたい。でも怪我のせいで練習が出遅れてしまったひかりは先生からレギュラーを外されてしまう。皆の水準にひかりのレベルが達していないからだ。結局本番までに間に合わなかった。それでもひかりは不貞腐れることなく皆を舞台に送り出した…

 

もうなんか悔しいやら寂しいやら悲しいやら…色々な感情がない交ぜになっているのが表情だけでよく伝わってきた。でもあれを経験した人間は強くなるよね絶対。もう二度とあんな思いはしたくないもの。

 

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そして何よりも早乙女先生(天海祐希)が素晴らしい。当初、先生はチア経験者で輝かしい過去があるものばかりかと思っていた。連れてきたコーチも元チームメイトか何かかと…でもそうじゃなくて、先生は全てを一から始めた努力の人だった。それも旧式の。厳しくて嫌われ役上等、陰ではひたすら勉強勉強、アンド勉強。

 

コーチを引き受けてもらう為、毎日のように東京の大野コーチへ手紙を書いていたりマネージャー論の本を読み漁ったり、きついことを生徒に行った後はめちゃくちゃ落ち込んでいたり。

こんな先生ばかりだと、とても息苦しいけど僕はこういう先生が好きだ。

 

ともかく一年に何回か青春ムービーは観た方がいいね。初心を思い出せるし元気を貰える。何か新しいことを始めるには丁度よい季節、はじめの一歩を踏み出させてくれる素敵な映画だった。

 

ではでは