映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」ネタバレ感想：内容はさておき…ジェイク・ギレンホールの演技を楽しむ映画！
「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン＝マルク・バレ監督が、「ナイトクローラー」「サウスポー」の演技派ジェイク・ギレンホールを主演に迎え、妻の死にすら無感覚になってしまった男が、身の回りのものを破壊することで、ゼロからの再生へと向かっていく姿を描いたドラマ。ウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたデイヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたデイヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたデイヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つけるが……。
満足度 ★★☆☆☆
色々分かりづらいわ 笑
妻を亡くしたエリートサラリーマンの”破壊と再生”を描いたヒューマンドラマ。
でもこっちはそんなに小さい小さい微妙な心理描写みたいなところ、汲み取れないっすよ！
全体の音楽や雰囲気は良かった。でもオチが弱い、というかとにかく微妙。
序盤は良かった！ 妻と通勤途中で事故を起こすシーンで一気に引き込まれて、病院で義父から妻の死を知らされるシーンは、見ていて僕もとても悲しくなった。
そしてそこからのデイヴィス・ミッチェル（ジェイク・ギレンホール）よ！
あのキ●ガイっぷり、友人だとしたら初めは心配するかもしれないけど最後は友達を止めるレベル。
苦情係でシングルマザーのカレン（ナオミ・ワッツ）と息子のクリス。この家族と奇妙な交流を描いている辺りもまだ分かる。カレン一家との交流が無ければデイヴィスは再生していないだろうし。
でも終盤、彼は亡き妻が妊娠していたことを知る。しかも自分の子じゃなく、妻が浮気で孕んだ子だ。胎児には「私が付き添った」と義母から直接聞かされる。
デイヴィスもびっくりしただろうけど、こっちもびっくりだよ 笑
とんでもね～嫁だな。そこで割と僕の気持ちは冷めてしまったけど、よく考えれば生々しくて良かったのかもしれない。
描くのはあくまでも生身の人間の話であって、聖人君子ではないのだ。
僕が一番「？」となったのはラスト、というかタイトル。
デイヴィスは車の中でクシャクシャの付箋を発見。その付箋は亡き妻が事故に遭う数分前に「冷蔵庫の水漏れ直して」と言っていた、あの付箋だ。
その付箋には「水漏れ直してね。」の文字。それを見たデイヴィスは泣き崩れる…
それまで妻のことを愛していたのか、自分でも分からなかったデイヴィス。妻が突然亡くなったのにも関わらず悲しみも湧いてこない。
でも最後の最後、ふと発見した日常の他愛ない妻の言葉に触れた瞬間に、デイヴィスの感情が溢れ出す。「あぁ…こんなに妻を愛していたんじゃないか…俺は」みたいなことでいいのかな？
そのシーンは予告にもあるけど、車に陽が差し込んでデイヴィスが泣き笑いで空を見上げるとても良いシーン。タイトルの「晴れた日は君を想う」というのはここで回収したんだなぁ、なんて思った。
でもさでもさ、「雨の日は会えない」ってのは何？ これはどこに掛かってるの？
デイヴィスのキ●ガイ状態を表すメタファーということなのかな？
この辺りが何だかモヤついてる…
でも共感できるところも多々あった。デイヴィスのようにどこか感情が欠落しているんじゃないかと、自分でも思う時もあったし（自覚がないとヤバいんだろうけど）組み立て直すときは分解してから立て直す。再生するために壊す。その上でどうするか考える。
実際に何かを破壊したりはしないけれど、この気持ちは分かるような気がして共感できた。
どうしたいいのか自分じゃ分からなくて、ふさぎ込んだり色々考えすぎてグルグルしたり…ついには考えるのを止めてしまったり…心の中はぐちゃぐちゃでストレスやフラストレーションは溜まるばかり…でもそんな時でも周囲の人のおかげで自分の感情を取り戻すことも出来るし、また前を向けるようにもなる。
さんざん、オチが弱いだの分かりづらいだの言ったけど、個人的には好きな内容の映画。万人向けという感じではないので好き嫌い分かれるんだろうなぁ
ではでは
