山と映画

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映画「素晴らしきかな、人生」ネタバレ感想:「愛、時間、死」をそれぞれ演じていた三人。結局あれは妖精さんたちということでおk?

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「プラダを着た悪魔」のデビッド・フランケル監督が、クリスマスシーズンのニューヨークを舞台に、人生のドン底にいた男が、奇妙な舞台俳優たちとの出会いを通して変化する様をウィル・スミス主演で描いたドラマ。スミスのほか、舞台俳優役でキーラ・ナイトレイ、ヘレン・ミレン、主人公の同僚役でケイト・ウィンスレット、エドワード・ノートン、マイケル・ペーニャら豪華キャストが顔を揃える。ニューヨークの広告代理店で成功を収め、華やかな生活を送っていたハワードだったが、最愛の人を失ったことで大きな喪失感を抱く。完全に人生を見失ってしまったハワードを同僚たちも心配していたが、そんなある時、ハワードの前に年代も性別も異なる3人の奇妙な舞台俳優たちが現れる。彼らとの出会いにより、ハワードの人生に徐々に変化が起こっていく。

素晴らしきかな、人生 : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★☆☆☆

 

う~ん…僕はイマイチ。「プラダを着た悪魔」の監督作品と聞くだけで、頭の中でもうあのイメージの監督だわ。重いテーマなのでしょうがないのだろうけど。一応ファンタジー映画でもあるのかな。

 

終始ハワード(ウィル・スミス)が落ち込んでいてた。時に悲しみ、怒り、観ているこちらからすると中盤から終盤までストレスを感じていた。でもそこは「プラダ…」の監督、「ストレスはラストへの布石だろ? ん? 最後はうおおおお! ってスッキリさせてくれるんだろ?」とか思っていたのものの…

 

ふわっと終わったね。これから前向きに過ごしていくんだろうけれど。

「あ~スッキリした。あの時のハワードが帰ってきたわ。よかったよかった。」

とはならなかった。あくまでも再生の第一歩を踏みしめるまでを描いている映画だ。僕はそこが気に入らなかったんだろうと思う。

 

冒頭、ハワードは社内で社員全員に向かって熱のこもったスピーチをする。

「おぉ、広告屋さんらしくすげえエネルギッシュな経営者だな」と感じた。どうせならそこまでを描けとは言わないが、もう少し復活するところまでが見たかった。あれじゃ散々苦労していた同僚三人があまりにも報われていない気がした。

クレアの精子バンクの件はいいとして、サイモンは結局どうなったん? 気になるわぁ

 

一番気になるのは「愛、時間、死」をそれぞれ演じていた三人。結局あれは妖精さんたちということでおk? それは観た人たちで決めてくださいね~という遊びの部分なのかな。何なの一体!? こういうのをスパッと「あーあれは人間でしょどう考えても。だって…」と即座に語れる人に…私はなりたい。

モヤモヤするわ~

 

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ぶっちゃけね、ハワードみたいな状態になっちゃったら病院へGOさせるだけだよね。いくら友達でも、会社の創設者で売り上げの半分叩き出す人が機能しなくなってしまった時点で社員は普通転職考えちゃうよ。皆生活あるし。

 

でもハワードの同僚でもあり、その前に友人でもある三人はそこを諦めなかった。

僕は主題の”ハワードの再生していく過程”より、ハワードを想う友人三人の奮闘する姿の方が心に残ったよ。ハワード、ホイット、サイモン、クレア、四人のここまでの過程は描かれていないけれど、もしかすると家族以上に強い絆で結ばれている四人なのかもしれないね。

 

中途半端に分かりずらい上、最後まで正体不明の妖精さんたち三人を登場させるよりも、同僚四人の濃厚な物語にした方が面白かったんじゃね?

サイモンの持病(もう死にそう)、クレアの恋人探し、ホイット(離婚済み)と娘の関係修復などなど、この辺りを掘り下げて見てみたかった。もちろん「プラダを着た悪魔」っぽく笑えて泣ける方向で。元も子もない話だけども。

 

でもそう思うほど妖精さんたちには「?」な感想しか残ってない。ヘレン・ミレンは「相変わらずお美しい…」とは思いましたが。

 

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人生を再生させていくって大変なことです。会社一つ潰してピーピー言ってる僕ですらそう思う。退職、離婚、誰かの死、新しい環境どれもこれも本当にエネルギーを使うことばかり。しかも好きなことをしている時とは全く違う疲れ。

自分の20歳の誕生日から2週間後、父を事故で突然失った時は色々としんどかった。兄弟のいない僕は母と二人で大忙し。そんなに早く喪主を経験するとは思わなかったし、実家は自営業だったのでしばらく落ち着かなかった。

 

それでも周りの人に支えられてどうにか切り抜けた。その時お世話になった人達には今でも本当に感謝している。

こんなことがあったからなのか、この手の映画を観るとつい主人公の周囲の人達を見てしまう。本人もしんどいだろうけど、周りの人達はもっとしんどいだろうなって。近しい人であればあるほど。

 

人間、毎日が当たり前に来ること、周りの人達に感謝して生きていかないとですね~

 

 

ではでは