映画「哭声 コクソン」ネタバレ感想：猟奇的な雰囲気がとてもいい。ラストがとても残念だけど…
「チェイサー」「哀しき獣」のナ・ホンジン監督によるサスペンススリラー。平和なある村にやってきた、得体の知れないよそ者の男。男が何の目的でこの村に来たのかは誰も知らない。村じゅうに男に関する噂が広がる中、村人が自身の家族を虐殺する事件が多発する。殺人を犯した村人に共通していたのが、湿疹でただれた肌に、濁った眼をして、言葉を発することもできない状態で現場にいることだった。この事件を担当する村の警官ジョングは、自分の娘に殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。娘を救うためにジョングがよそ者を追い詰めるが、ジョングの行動により村は混乱の渦が巻き起こってしまう。警官ジョング役にドラマや映画の名脇役として知られ、本作が初主演となるクァク・ドウォン。國村隼がよそ者の男を演じ、韓国の映画賞・第37回青龍映画賞で外国人俳優として初受賞となる男優助演賞と人気スター賞のダブル受賞を果たした。
満足度 ★★☆☆☆
投げっぱなしジャーマンｷﾀ━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!! 何も解決してねえよ 笑
これだから悪霊だの祈祷師は嫌だったんだ。この人等が出てきたとたんに胡散臭くなった。雰囲気は良かっただけに残念だ。
作品全体の雰囲気は凄く猟奇的でミステリアスで良いんだよ？ なのに何故オカルト方向に行ってしまうのか。しまいには謎の日本人（國村隼）が悪魔になる始末。しかも３Ｄではなく特殊メイクを施し物理で現れた。いやもう物理的に倒せるんだからこいつを倒せよ。こいつがラスボスでいいよもう。
謎の女も最後まで謎だった…というか全てが謎に包まれたまま終わるんだけど、どうしてこうなったのかといえば、やはり後半だろう。祈祷師が悪霊を払いに（丑の刻に殺を行う）きて、別の場所同士で謎の日本人と祈祷バトルを繰り広げる辺りは見応えもあった。そして厄介な訪問者とされていた謎の日本人が、実はこの村を助けに来た祈祷師だったことが判明する辺りは「おぉ…なるほどそうきたか」なんて感心していた。
「しかしここまで風呂敷広げて上手く回収できるのかな…残り時間で大丈夫？」なんて思っていたがそのまさかだ。
僕が思うに、謎の日本人を二度目に訪ねた帰り。雨のドライブ、そして人を轢いてしあった辺りから一気にダレた。実は謎の女が真犯人（悪霊）らしい…なんてくだりの時もまだ僕はラストに期待していたが、結局投げっぱなしのバッドエンドで話は終わる。
「ファ！？」観ていた大勢の心の声が聞こえてくるようだ。実に中途半端。悪霊はこの際オッケーだとしてもさ、謎の女にオチをつけるのか、悪魔國村さんで落とすのかハッキリしてほしかった。日本人の側から言わせてもらえば、誤解の解けた國村さんと主人公たちで事件を解決→ハッピーエンドみたいな流れを期待しちゃったよ。
そもそもあの祈祷師突然現れたよね。おばあちゃんが呼んだらしいけど。割と重要な役回りだったので登場のさせ方をもう少し考えてほしかったよ。
ばあちゃん「祈祷師頼んだから」
ジョング（主人公）「ほ～ん」
ばあちゃん「高名な人らしいで」
以上。いやなんつーかもっとなんかこー…あっただろう他に 笑
何度も言うけど、作品全体の暗～い雰囲気はとてもいい。目をそむけたくなるような猟奇殺人、それに対するような主人公ジョング（クァク・ドウォン）の、のんびりした人柄やアホなんだけど明るくていい奴の後輩、お転婆そうで笑顔が可愛い娘。そしてどこか懐かしい原風景。それだけに惜しい。
悪魔を登場させず、連続猟奇殺人→謎の日本人が怪しい…でも実は違った→真犯人と対決。これだけの方が良かったんじゃないかなぁ…無理にＳＦゾンビ映画展開に持って行くにしても遅すぎた。それなら序盤でゾンビの一匹でも登場させておいてくれたらよかったのに。途中からどんな気持ちで観たらいいのか分からなくなったよ。
文句ばかり書いているように見えるけど、ホラー系、いや一応サスペンススリラーか？ で久々にゾクゾクした。（中盤辺りまでは）ハリウッド映画や最近の邦画ホラーより良い雰囲気が出ていた気がする。子役の女の子の演技もかなり迫真していてびっくりだ。「あの子トラウマとか大丈夫かよ…」ってこっちが心配になるレベル。それ位イカレタ演技だった（褒め言葉）
この映画は猟奇的な雰囲気を体感できる映画というのは間違いない。劇場にしろ家にしろ一人で観て体感してほしい。怖いといっても後半は「！？」な展開になるので安心だ。
僕は前半のような、少しコメディタッチなジョング達の日々をもう少し観ていたかった。スピンオフで同じキャストでコメディーやらないかな。起きる事件も〇〇さん家の鶏が盗まれたとか、教会の鐘が忽然と姿を消したとかにして。すげえ癒されそう。
ジョングはいつも何か食べてたよね。いい愛されキャラだ。
そんな訳で途中まではもの凄い出来が良いのに、後半が残念な本作でありました。
ではでは
