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映画「暗黒女子」ネタバレ感想:清水富美加と飯豊まりえの圧倒的存在感!リアリティは今ひとつ…

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秋吉理香子の同名ミステリー小説を、NHK連続テレビ小説「まれ」の清水富美加と「MARS ただ、君を愛してる」の飯豊まりえのダブル主演で実写映画化。聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみが、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」など数々のヒットアニメを手がけた岡田麿里が実写映画の脚本を初めて担当し、「百瀬、こっちを向いて。」の耶雲哉治監督がメガホンをとった。

暗黒女子 : 作品情報 - 映画.com

 

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満足度 ★★★☆☆

 

いいね! 面白かった。原作組からはどうなんだろう? アニメ好きとしては今、話題の 清水富美加さんより見慣れている名前、脚本の岡田麿里さんがアニメ以外を初めて手掛けるという方が楽しみだった。そして実写でもやはりマリーはマリーだった。

 

原作がしっかりしている作品は良いね。イヤミスはバッドエンドであればあるほどウケるというけど、本作もいい胸糞だった。特に副会長を演じる清水富美加さん。出家騒動と相まってもの凄い皮肉が効いていた。というか、最初から「お前が犯人なんだろwww」って思わなかった? どう考えても黒幕は副会長しかいねぇ流れ…

 

全体の流れは前会長である「白石いつみの死」をテーマに文学サークルの5人が小説を読み上げていく…というオムニバスだったので観やすかった。

この手の学園モノ、かつ学園内や部室で話が展開されるワンシチュエーションサスペンスみたいな作品は途中で絶対だれる。結論に至るまでがとても長く感じてしまううが本作はそんなことなくラストまで楽しめた。宣伝通り、ラストに向けどんどん加速する映画だ。

 

というか、白石いつみ(飯豊まりえ)と澄川小百合(清水富美加)が強烈だった。きっと数年後、この映画を思い出しても覚えているのはこの二人だけだと思う。本質はエイリアンVSプレデターであるとか、フレディーVSジェイソンと変わらない。ただ少し違うのが、いつみはファッションサイコパスだったのに対し小百合はガチのサイコパスだったということくらい。そりゃあホンモノには勝てませんわ。そしてもう少しグロいと思っていたけどそうでも無かったのは残念。

 

清水富美加さんがどうという話ではないが、やはり騒動とリンクして考えてしまう。「やべえよやべえよあいつどうかしてるぜ…」と思わずにはいられなかった。ある意味キャラ作りもより完璧に仕上がったということか。

 

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その他、モブの四人は最後までモブだったのが残念。朗読会で一人一人小説を発表していくのはいいが、それぞれの矛盾について喧嘩や騒動にならないもんなのかと少し違和感があった。これもミッション系の女子高ならではなんだろうか。男なら胸倉の一つでも掴み合っているところなんだろうけど。映画という限られた時間なのでしょうがないが、この四人同士の絡みがもう少しあってもよかったかもしれない。

 

それでなくとも彼女達のような、男からすると「あんな女子高生マジでいるのかよ…」と思うような今一つリアリティのない彼女達。話も面白いし主演二人の演技に魅入ってしまうのに、どこか感じてしまう違和感はそれかもしれない。

学校経営者の娘とは言えあの部室や調度品、おまけにキッチンや謎の食材の豊富さ。実写なのにアニメ寄り。いや最近のアニメでもここまで設備は豪華じゃないか。生徒会の権力は絶大だけど。

 

もう一点は小百合の「やっちまった感」

サイコパスなのでしょうがないのかもしれないけど、「いつみの輝きが無くなった」という理由だけで殺っちゃいますか普通? 短気かよ。

この小百合の同機の弱さがなんというか…しょーもな と思わせてしまう原因なんだろう。この学校で何も無かったとしてもいつか捕まるよあいつは。

 

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ところで最初に触れた岡田麿里さん。彼女は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「とらドラ!」「花咲くいろは」など特にアニメに興味のない一般の人でも知っている作品の脚本を多く手掛けている。ググってもらえればすぐに分かるが、マリー脚本と言えば「人間関係の微妙な心理描写」男女問わず…というか実は女同士のドロドロを描くのが得意という本作にぴったりな脚本家さんだ。

 

ただ、アニメによって評価が全然違っているので「どっちのマリーなんだ…」と心配していたが、僕はとても良かったと思っている。グダるんだよねけっこう、それも終盤に。これから実写映画でも活躍する機会が増えていくんだろうか。是非とも頑張っていただきたい。

 

そしてすずらんはガチで毒性が強いので気を付けて。しかも葉はギョウジャニンニクと似ていて間違えてしまうことも多い。これから山菜シーズンが始まる地域もあるだろうから誤った判断にならないよう注意してほしい。

 

清水富美加さん、これでラストかぁ。でも幸福の科学で映画作ってたよね? スクリーンで初めて見たけどこの役は彼女凄くハマっていた。あの強キャラ特有の微笑がゾクゾクするよね。まぁ、またどこかの作品で彼女が観れることを楽しみにしておこう。

 

 

ではでは